みなさん、こんにちは。
当サイト管理人の医療ソーシャルワーカー けぇちゃん です。
脳卒中や骨折などで入院すると、1週間~1ヶ月程で急性期病院は退院となります。
回復期リハビリテーション病院では、脳卒中や骨折などの治療後、すぐには自宅退院できない方を対象に、引き続き自宅退院に向けての専門的なリハビリを行っています。
以前の記事でお伝えしたように、回復期リハビリテーション病院では病名によって入院期間が決められています。
入院期間内に退院ができるよう、入院時から退院に向けての準備が行われます。
今回の記事では、回復期リハビリテーション病院での入院から退院までの流れについて解説していきます。
これから回復期リハビリテーション病院へ入院する方や転院を考えている方は参考にしてください。
入院から退院までのおおまかな流れ
回復期リハビリテーション病院での入院から退院までのおおかまな流れは以下の通りです。
- 入院
- リハビリテーションの目標設定
- リハビリテーション開始
- 入院時自宅訪問(必要時)
- ミニカンファレンス(病院スタッフのみ)
- 患者さん・ご家族との面談
- 退院の準備
- 退院前自宅訪問(必要時)
- 退院前カンファレンス
- 退院
それでは、各段階について詳しく説明していきます。
入院時
入院当日に患者さん・ご家族と担当医師・看護師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカー等で面談が行われます。
- 回復期リハビリテーション病棟の説明
- 今後のリハビリテーションについての説明
- 入院前の生活場所や家屋構造(段差など)の確認
- 食事、排せつなどの日常生活動作の確認
- 福祉サービス(介護保険など)の利用状況の確認
- 自宅退院希望か施設入所希望かの確認
などが行われます。
入院時から退院するまでの間、医療ソーシャルワーカーが担当につきます。
安心して退院ができるようにサポートするのが医療ソーシャルワーカーの役割です。
リハビリテーションの目標設定
患者さんの現状と現時点での予想されるリハビリのゴール(目標)や入院期間について患者さん・ご家族と共有します。
リハビリテーションの開始
目標に応じてリハビリテーションが開始になります。
入院当日よりリハビリテーションが開始となります。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリテーションの専門スタッフがリハビリテーションを提供します。
毎日、最大で3時間のリハビリを行ってくれます。
病院によっては、土日がお休みだったり、日曜日のみお休みだったりする場合があります。
入院時訪問指導(必要時)
患者さんの自宅にスタッフが伺い、自宅内の環境を把握します。訪問を通じて、住宅改修や福祉用具などの提案を行います。
ミニカンファレンス(病院スタッフのみ)
定期的(だいたい2週間おき)にミニカンファレンスが行われます。
主治医・看護師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカーなどの多くの職種でチームを組み、患者さんの状態の確認やリハビリの進み具合、退院後の生活に向けての話し合いが行われます。
患者さん・ご家族との面談
患者さん・ご家族を含め面談が行われます。
主治医・看護師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカーなど各担当者から患者さんの病棟での生活状況やリハビリの進み具合などの説明があります。
また、患者さんとご家族の希望を踏まえながら、退院に向けての準備を行います。
退院の準備
退院先については、担当の医療ソーシャルワーカーが中心となって支援を行います。
自宅への退院を希望の場合は、必要に応じて介護保険などの福祉サービスの説明および申請のサポートをしてくれます。
自宅へ退院できない方には、状態に応じた病院や介護施設・福祉施設を紹介してくれます。
退院前訪問(必要時)
患者さんの自宅にスタッフが伺い、自宅内の環境を把握します。訪問を通じて、住宅改修や福祉用具などの提案を行います。
退院前カンファレンス(必要時)
患者さん・ご家族と主治医・看護師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカーなどで、現在の状況や退院後の注意点などについて情報共有を行います。
必要に応じて、ケアマネージャーや訪問看護などの自宅でサポートを行ってくれる在宅支援チームを含めたカンファレンスを行います。介護サービスの調整や福祉用具など必要なサービスの検討が行われます。
退院
自宅退院の準備が整ったら退院となります。
入院期間は
- 整形疾患だと約2ケ月ほど
- 脳血管疾患だと約3~5ヶ月ほど
退院に向けてのイメージをもとう
回復期リハビリテーション病棟でリハビリをおこなったからといって、病気や骨折をする前の状態に回復するとは限りません。
脳卒中などの脳血管疾患であれば、麻痺などの後遺症が残る場合があります。
回復期リハビリテーション病棟では、病名によって入院期間に制限がありますので、早い段階から退院に向けての準備をおこなわなければなりません。
そこで、ポイントとなるのが退院後のイメージをもつことです。どの程度まで回復すれば自宅での生活が可能なのか。
例えば、
- 身の回りの事が自分でできるようになれば自宅退院可能
- ポータブルトイレで排せつができれば自宅での介護が可能
など、具体的に退院後の生活のイメージをもつことがポイントです。
まとめ
- 回復期リハビリテーション病棟では、医師・看護師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカーなどたくさんの専門職が患者さんの入院から退院までをサポートします。
- 入院期間に制限がありますので、早めに退院に向けてのイメージをもちましょう。