こんにちは、当サイト管理人の MSWけぇちゃん です。
今回は『回復期リハビリテーション病棟の選び方!6つのポイントで解説!!』です。
この記事を見れば、回復期リハビリテーション病院選びは迷わなくなります。
選ぶ際の6つのポイント
- 入院料(充実度に応じた区分)で選ぶ
- リハビリの専門医がいるか
- 早く入院(転院)ができるか
- 立地条件がいいか
- 特徴的な設備がある
- 頼りになる医療ソーシャルワーカーがいるか
入院料(充実度に応じた区分)で選ぶ
スタッフの配置人数や休日のリハビリが行われているか
回復期リハビリテーション病棟には充実度に応じた6つの基準(入院料)があります。
リハビリテーションに必要なスタッフが配置されているか、重症度割合(重症の患者さんに対応しているか)、休日のリハビリテーションを行っているかなどの充実度に応じて、1~6段階の入院料に分かれています。
充実度が最も高い基準は入院料1
入院料の大きな違いは、スタッフ配置と休日リハビリです。
スタッフ配置
最も高い基準の「入院料1」では、言語聴覚士、社会福祉士、管理栄養士の配置が必須となっています。また、看護スタッフ、理学療法士、作業療法士の数も多く配置されています。
休日のリハビリ
入院料1・2では休日のリハビリが必須となっています。
※入院料3・4・5の病棟でも、休日のリハビリを提供している病院もあります。
リハビリの専門医がいる病院を選ぶ
リハビリテーションを専門とする医師がいるか
リハビリテーション専門とは、「病気や外傷の結果生じる障害を医学的に診断治療し、機能回復と社会復帰を総合的に提供することを専門とする医師のこと」です。
回復期リハビリテーションに携わる医師の専門は、リハビリテーション科がメインとなります。
脳神経外科、整形外科、内科などの科を経験した医師が回復期リハビリテーション病棟を担当している病院も数多くあります。
早く入院ができる病院を選ぶ
急性期病院での治療後、なるべく早い段階での受け入れが可能か
リハビリは「急性期から始める」ことが重要とされ、基本的には発症から48時間以内に開始することが望ましいとされています。
早期のリハビリの目的は以下の通りです。
- 長期の寝たきりを避け、廃用症候群を予防する
- 基礎体力の維持を目指す。
特に脳梗塞は、発症後すぐのリハビリで後遺症も軽くなるとされています。脳梗塞は発症から2週間までが急性期。続いて発症から3~6か月までが回復期とされています。
急性期病院でもリハビリは早期から行われますが、回復期リハビリテーション病棟のように1人の患者さんに長い時間のリハビリを提供できません。回復期の時期をいかに有意義に過ごすかが重要となります。
急性期病院から回復期リハビリテーション病院への転院の待ち時間(待機期間)を少なくすることがポイントです。
立地で選ぶ
ご家族が行きやすい病院
病院を選ぶ際に大切なのが立地条件です。
患者さんが入院中、
- お見舞いや必要物品(衣類や日用品など)の持参
- 病院から呼び出られる場合 など
ご家族が病院に行く機会は数多くあります。
その際に、自宅から遠い病院を選んでいると不便です。
車に乗れない方は徒歩や公共交通機関で行ける病院を選んだりと、自分たちが行きやすい病院を選ぶことが重要です。
また、回復期リハビリテーション病棟では退院が近づくと必要に応じて自宅訪問を行ってくれます。自宅訪問の目的は、自宅に帰った際に安心して生活をするために自宅の環境を整えるためです。具体的には、自宅でサポートをしてくれるケアマネージャーなどの協力のもと、患者さんの自宅内での動きを確かめたり、手すりの設置や段差の解消などのアドバイスを行います。
あまりに遠い距離の病院を選んでいると、このような自宅訪問が難しい場合がありますし、地域との連携が難しい場合があります。
特徴的な設備や機器がある病院を選ぶ
リハビリの目的にあった設備や機器があるか
回復期リハビリテーション病棟には、リハビリに特化した設備が整っています。
その中にも、各病院が力を入れている分野があり、特徴的な設備や機器を導入している病院もあります。
例えば、
- 自宅の環境を再現したリハビリハウス(模擬ハウス)
- 自動車運転を希望する人のための自動車運転支援(ドライブシュミレーター)
- 歩行をアシストして正常な歩きに近づける歩行支援ロボット
などです。
福祉サービスや地域の社会資源に強い医療ソーシャルワーカーがいる病院を選ぶ
頼りになる医療ソーシャルワーカーがいる病院
医療ソーシャルワーカーは、患者さんが治療やリハビリに専念できるよう、医師や看護師、リハビリスタッフ、ご家族との連携を密に取り、退院に向けてのサポートを行ってくれます。また必要に応じて、福祉サービスや施設についての情報提供、介護保険の手続きなどのお手伝いを行ってくれます。
慣れ親しんだ地域でその人らしい暮らしを続けるために、医療ソーシャルワーカーは強い味方になってくれます。
病院選びで大切なこと
6つのポイントで選び方を紹介しましたが、6つ全てをクリアしている病院はなかなかありません。
病院選びで大切なのは、優先順位を決めることです。
私が患者さんご家族とお話する際、自宅から遠方の病院は基本的にはおすすめしません。
回復期リハビリテーション病院は、自宅退院に向けて入院中から退院までサポートしてくれます。あまりに遠い病院だと、自宅退院に向けのサポートが難しくなります。結果的に患者さんご家族のデメリットになりかねません。
この記事を読んでくださった方も、優先順位を決めて病院を選んでください。
繰り返しますが、すべてが完璧な病院はありません。
それぞれの病院には特徴や力を入れている分野が異なります。
困った時には、医療ソーシャルワーカーに相談してみてください。