みなさん、こんにちは。
「医療ソーシャルワーカー けぇちゃん」のサイトを管理人をしている けぇちゃん です。
このブログは、医療ソーシャルワーカーとして働いている管理人が、
- 病院に緊急入院した。今後どうしたらいいのか不安。
- 病院に入院したがいくらかかるのか。
- 病院から退院と言われたが、1人暮らしで自宅に帰るのが不安。
- 施設入所したいがどんな施設があるのか分からない。
といった入院や介護の時に生じる『困りごと』や『不安』を少しでも解決できでるような情報をお届けすることを目的としています。
今回は、『脳卒中で緊急入院!発症から退院までの流れ』です。
この記事でわかること
- 脳卒中の基礎知識
- 発症から退院までの流れ
- 回復期リハビリテーション病院の活用
脳卒中で入院するときはたいてい突然発症での入院です。
昨日まで元気だったのに突然入院し、介護が必要な状態になるなんてことが多い病気です。
突然の入院で家族からすると、「今後どうなるのか」、「どうしていったらいいのか」といった漠然な不安を抱える場合が多いです。
急性期病院で医療ソーシャルワーカーとして働く中で、突然の事で不安でいっぱいな家族を多くみてきました。
そこで、脳卒中になった場合、一般的なケースではどのような流れになるのかをまとめてみました。
見通しが立てれることで、少しでも不安を取り除けれるのではないでしょうか。
脳卒中とは
脳卒中とは、脳の血管が破れるか詰まるかして、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が障害される病気です。
脳卒中は、脳の血管つまる脳梗塞、脳の中の細い血管が破れて出血する脳出血、脳動脈瘤という血管にできたこぶが破裂して出血するくも膜下出血の3つのタイプに分けられます。
脳卒中の3つのタイプ
脳梗塞…脳の血管がつまる
脳出血…脳の中の細い血管が破れる
くも膜下出血…脳動脈瘤が破れる
日本人の死因第4位
脳卒中(脳血管疾患)は、かつては日本人の死因の第1位を占めていましたが、医療の進歩にともない、近年死亡率は減少し、第4位となっています。
日本人の死因
1位 悪性新生物(がん)
2位 心疾患
3位 老衰
「厚生労働省データ(2018)より」
要介護になった主な要因の第2位
介護が必要になった主な要因としての順位も高く、脳卒中を含む脳血管疾患が2位となっています。
介護が必要になった主な要因
1位 認知症
3位 高齢による衰弱
4位 骨折・転倒
「厚生労働省データ(2018)より」
発症から退院前の流れ
脳卒中を発症し、急性期(救急)病院で治療を行い、リハビリ継続のため回復期リハビリテーション病院へ経て自宅退院となる一般的なケースを想定し、簡単にまとめています。
発症
脳卒中のキーワード「FAST」
脳卒中は時間との闘いといわれています。
専門的な病院での治療が早ければ早いほど回復を期待できます。
「顔がゆがむ」「腕が上がらない」「しゃべりにくい」こんな症状があれば、すぐに救急車を呼んでください。
詳しくは、公益社団法人日本脳卒中協会のHPをご覧ください。
急性期(救急)病院
入院期間:2週間~1ヵ月程度
脳卒中を発症すると、急性期・救急病院へ入院し、専門的な治療を受けることになります。
点滴や内服での治療およびリハビリが中心となってきます。場合によっては、開頭術や血管内治療などの手術も必要になってきます。
開頭術…ドリルなどで頭蓋骨を切り開く手術
血管内治療…血管を通じて脳の中にカテーテルを挿入して行う治療
そして、治療と同時にリハビリテーションが重要となっていきます。
急性期病院では、ある程度の安静は必要なのですが、過度な安静は廃用症候群を招きます。リスク管理のもと、早期から座位や立位・歩行などの体を動かす訓練を積極的に行います。
一般的に、脳卒中は発症から2週間程で自宅退院か転院かを選択することとなります。
急性期病院の入院期間は具体的に決められているわけではありませんが、急性期病院は治療を専門的に行う病院なので、状態が落ち着いた方は退院か転院かを選択していただく必要があります。
リハビリの継続が必要な方は、回復期リハビリテーション病院の入院対象になります。
回復期リハビリテーション病院
入院期間:最大で150日(高次脳機能障害があれば180日)
回復期リハビリテーション病院は急性期病院でのリハビリテーションの後におこなう、より実践的なリハビリテーションを提供している病院です。
回復期リハビリテーション病院では、機能の回復や日常生活で必要な動作の改善を図り、寝たきり防止と社会や家庭への復帰を目的としたリハビリテーションプログラムに基づき、医師、看護師、ケアワーカー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、MSW(医療ソーシャルワーカー)、薬剤師、管理栄養士等が共同で集中的なリハビリテーションを提供してくれます。
入院期間は、脳卒中で最大150日(高次脳機能障害があれば180日)と制限がありますので、退院後の方向性を早めに検討する必要があります。
自宅退院を目指す場合には、介護保険の申請を行い、介護サービスの導入を検討します。
自宅退院が困難な場合には、退院後の生活の場を考える必要があります。介護保険施設などへの入所の検討が必要です。
脳卒中なら、回復期リハビリテーション病院への転院を検討!!
自宅退院or施設入所
回復期リハビリテーション病院で実践的なリハビリテーションを経て退院となります。
医療ソーシャルワーカーに相談
初めての緊急入院で、退院後のことだけではなく、入院費のことや入院生活のことなど不安でいっぱいだと思います。
そんな時には、医療ソーシャルワーカーに相談してみて下さい。
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、退院や転院に向けてのサポートを行います。
医療ソーシャルワーカーは、医療機関などにおける福祉の専門職です。
こんな時は、
医療ソーシャルワーカー!!
- 退院後の生活に不安がある
- 介護保険制度について知りたい
- 入院中の医療費について知りたい
まとめ
脳卒中は急性期病院での専門的な治療およびリハビリテーションが非常に重要な病気です。
急性期病院での入院期間は、2週間~1ヵ月です。その後、リハビリテーションの継続が必要な方は回復期リハビリテーション病院などの実践的なリハビリテーションが可能な病院へ転院となります。
脳卒中発症
急性期(救急)病院
(回復期リハビリテーション病院)
自宅退院・施設入所