2025年には高齢者の5人に1人が認知症又はその予備軍になると言われています。
認知症は誰もがなりうる病気です。そして誰もが関わる可能性のある身近な病気となってきています。
そのため、国は認知症の方ができる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるような支援を急ピッチで進めています。
今回の記事では、認知症の方の相談窓口について解説します。
認知症を疑ったら、まずはかかりつけ医に相談
認知症は早期に発見し、適切な治療を受ければ、進行を遅らせることができることが知られています。
家族の認知症を疑ったら、まずは「かかりつけ医」へ相談しましょう。
各都道府県では、認知症の早期発見・早期診断体制の充実に力を入れており、高齢者が日ごろから受診するかかりつけ医に、認知症に関する相談を気軽におこなえる体制づくりに取り組んでいます。
かかりつけ医は一番身近な存在です。
日ごろから受診しているかかりつけ医がある場合は、ちょっとした変化にいち早く気付いてくれる可能性があります。
認知症の疑いがある家族を、認知症の専門病院に連れていこうとしても、なかなか受診に結びつかない場合もあります。
かかりつけ医であれば、受診のハードルは下がり早期の受診に結びつきやすいです。
本人の前でかかりつけ医に認知症の相談をすることにためらいがある場合には、事前に電話で相談しておくことのも一つの方法です。
そのため、まずは身近な存在であり相談しやすい「かかりつけ医」に相談をすることをおすすめします。
かかりつけ医が認知症の専門でなくても、必要に応じて専門医への紹介もしてくれます。
かかりつけ医がない場合は専門の医療機関へ相談
物忘れ・認知症相談医(オレンジドクター)に相談
広島県では、もの忘れ・認知症相談が可能である医師として「オレンジドクター」として認定しています。
どこの医療機関にオレンジドクターがいるかは、広島県HPに掲載されています。
広島県の認知症疾患医療センター
医療機関名 | 所在地 | 電話番号 |
草津病院 | 広島市西区草津梅が台10番1号 | 082-270-0311 |
瀬野川病院 | 安芸区中野東四丁目11番13号 | 082-893-6266 |
千代田病院 | 山県郡北広島町今田3860 | 0826-72-8262 |
メープルヒル病院 | 大竹市玖波5丁目2-1 | 0827-57-7461 |
ふたば病院 | 呉市広白石4丁目7-22 | 0823-70-0571 |
宗近病院 | 東広島市西条町御園宇703 | 082-493-8651 |
三原病院 | 三原市中之町6丁目31-1 | 0848-61-5515 |
光の丘病院 | 福山市駅家町向永谷302 | 084-976-1412 |
下永病院 | 福山市金江町藁江590-1 | 084-939-6211 |
三次神経内科クリニック花の里 | 三次市十日市東4丁目3-10 | 0120-870-318 |
認知症疾患医療センターは、認知症に関する不安や悩みのある方や家族からの相談にのってくれます。
「物忘れがよくある」「外出して帰ってこれなくなったことがる」などの悩みや不安に精神保健福祉士や看護師、臨床心理士(公認心理師)などの専門スタッフが対応してくれます。
必要に応じて、適切な医療機関や関係機関の紹介もおこなってくれます。
かかりつけ医がいない場合には、認知症疾患医療センターへ相談してみるのもいいかと思います。
【認知症疾患医療センター】
認知症疾患医療センターは、各都道府県が病院に設置しており、認知症疾患の鑑別診断、地域における医療機関等の紹介、医療相談などを行う専門医療機関です。
認知症の患者さんとその家族が住み慣れた地域で安心して生活できるための支援の一つとして設置されています。
主な業務内容
- 電話等による専門医療相談
- 鑑別診断と初期対応
- 合併症・周辺症状への急性期対応
- 認知症に関する研修や情報発信 など
総合的な相談は地域包括支援センターで
地域包括支援センターは、住み慣れた地域で暮らすことができるよう、高齢者の方の総合相談窓口としての機能をもっています。
保健医療・介護に関する相談を行うほか、相談内容に応じて、認知症に詳しい医療機関の紹介もおこなってくれます。
また、介護保険の申請のサポートや今後の介護のこと、社会福祉サービスなどの制度の利用につながるような様々な支援をおこなってくれます。
場合によっては、認知症初期集中支援チームがサポートをおこなってくれます。
認知症初期集中支援チーム
認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けるために、地域包括支援センターなどに配置されています。
認知症初期集中支援チームとは、「認知症の専門医や保健師、看護師、作業療法士、社会福祉士などのの複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる方やに認知症の方およびその家族を訪問し、初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うチーム」のことをいいます。
介護の必要性を感じたら介護保険の申請をしよう
認知症は症状が進むと介護が必要になってきます。
日常生活で介護の必要性を感じたら、介護サービスを利用することで負担を減らすことができます。
介護保険を申請してから認定が出るまで、約1ケ月程度かかかりますので、早めに申請を行ってください。
介護保険の申請窓口
- 市区町村の窓口
- 地域包括支援センター
認知症の勉強におすすめの本
マンガでわかる!認知症の人が見ている世界
認知症の人の心、感じ方がマンガでわかりやすく書かれています。
堅苦しい参考書ではないので、読みやすいかと思います。
ボクはやっと認知症のことがわかった
認知症のエキスパートが実際に認知症になって書いた本です。
認知症専門医の知識と実際の体験が融合された大変貴重な本だと思います。
認知症ケア従事者だけでなく、患者家族も最優先に知っておくべき内容が満載です。
看護師失格?
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師が看護師向けに書いた本です。
認知機能が低下した患者をめぐる看護師の面談録が書かれています。
認知機能低下の方の対応に悩む方だけでなく、対人関係に悩む全ての医療従事者に読んでいただきたいです。
私自身、認知症の方との関わり方を振り返るきっかけとなりました。
まとめ
認知症を疑ったら、
- かかりつけ医がいる場合・・・かかりつけ医
- かかりつけ医がいない場合・・・物忘れ外来など認知症専門医のいる医療機関、地域包括支援センター
へ相談してみて下さい。