こんにちは!当サイト管理人の医療ソーシャルワーカー けぇちゃん です。
病院で医療ソーシャルワーカーをしていると、「退院後に運転をしてもいいの?」という質問を受けることが多いです。
特に、脳梗塞や脳出血などの脳卒中を発症された患者さんからの質問が多いです。
脳卒中の患者さんは、麻痺や高次脳機能障害などの後遺症が残ってしまう可能性があります。そのため、退院後の自動車運転に関して不安を持っておられる方も多くおられます。
この記事を読むと脳卒中などの病気をされた方が安心して自動車運転を再開する方法がかわります。
一定の病気等による運転免許の停止・取消制度
平成26年の道路交通法改正により、「一定の病気等に該当する運転者対策を推進するための規定の整備」 が行われました。
このことから、免許申請および更新申請時に運転免許の更新時に、健康状態について運転免許センターに申告することが義務化されました。
一定の病気等に該当する方や自動車運転に支障があると思われる方に対しては、症状等について具体的に伺い、個別に判断するとことなっています。
一定の病気等の該当したからといって、ただちに免許が停止になるというわけではありません。
病気の申告は運転免許の更新時に求められますが、更新までの間に運転してよいのかということが問題となってきます。
基本的には、一定の病気等に該当してしまうと、運転の再開時には運転免許センターで適性検査を受けなければなりません。
以前、運転免許センターへ問い合わせた結果、「退院時にほとんど問題がないとしても適性検査を受けていただきたい。」との返答でした。
適性検査を受けていないと万が一事故を起こしてしまった場合、自賠責保険や任意保険が適用されなくなる可能性が否定できないそうです。
一定の病気等とは
一定の病気等とは、以下の病気等を総称したものです。
- 統合失調症
- てんかん
- 再発性の失神・無自覚性の低血糖症
- そううつ病
- 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
- 脳卒中
- 認知症
- その他安全な運転に支障のあるもの など
運転再開までのステップ
主治医に自動車運転に関する相談
一定の病気等に該当する場合は、主治医に自動車運転に関する相談をおこないましょう。
運転再開の許可を得たら次のステップに進みます。
運転再開の許可が得られない場合は、期間をあけて相談をおこないましょう。
診断書を入手
運転再開の許可を得たら、運転免許センター提出用の診断書を入手しましょう。
運転免許センターもしくは都道府県内の各警察署に診断書をもらいに行きましょう。
診断書の作成を医師に依頼
診断書を入手したら、主治医に診断書の記載をしてもらいましょう。
※診断書作成には数日~1週間程度の時間がかかる場合があります。
臨時適性相談の予約
診断書の作成ができたら、運転免許センターで臨時適性相談の予約をおこないましょう。
臨時適性相談
臨時適性相談の結果、運転再開の可否の判定がおこなわれます。
運転の可否を判断するのは医師ではない
自動車運転の可否を判断するのは、運転免許センターです。医師ではありません。
医師の診断書と適性検査によって最終判断は運転免許センターがおこないます。
運転免許センターは医学的な症状や患者さんの状態が分からないため、結果として医師の作成する診断書は運転の可否の判定に大きく影響します。
医師が運転の危険があると判断した場合、基本的には運転免許の更新はできないと思っていただいた方がいいです。
病気により免許取り消しとなった場合
一定の病気などで免許取消となっても、3年以内に機能が回復すれば、再取得時の学科・技能試験が免除となります。
取り消しから1年間は欠格時期に指定されるため、実質は残りの2年間のうちに手続きをとる必要があります。
まずは医師に相談しよう
運転の可否を判断するのは医師ではありませんが、医師の判断が大きく影響します。
運転免許センターで適性検査を受ける前に、医師に相談しましょう。
そして、運転再開の許可が出たら診断書を作成してもらいましょう。
まとめ
脳卒中など「一定の病気等」に該当してしまった場合には適性相談を受ける必要があります。適性相談を受けて、安心して自動車運転の再開をしましょう。