この記事を読むと、高額療養費のことが分かります。
高額療養費を知らない方にも、わかりやすく基本的な部分を解説します。
日本は、すべての国民が公的医療保険に加入する『国民皆保険制度』を導入しており、病気やケガになった時に安心して医療を受けられる体制を整えています。
病気やケガをした時に医療機関(病院・診療所)で診察を受けたら、ほとんどの人が実際にかかった医療費の3割(年齢や所得に応じて1~3割)の自己負担で利用ができます。
しかし、入院や手術をすることになった場合、いくら3割負担といっても医療費が高額になってしまうことがあります。
医療費が高額になってしまうと、日々の生活に影響してしまう可能性があります。
そんな時に頼りになるのが『高額療養費制度』です。
一定額を超えた部分が払い戻される
高額療養費制度とは、1ヶ月間(同じ月の1日~末日)の医療費の総額が一定額(自己負担限度額)を超えた場合、その超えた部分が手続きによって払い戻られる制度です。
自己負担限度額は年齢や所得によって異なる
自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。
年齢は『70歳以上』と『70歳未満』で分かれています。
69歳以下の自己負担限度額(1ヶ月)
一般的な所得の会社員であれば、1ヶ月の医療費の自己負担限度額は10万円程度となります。
70歳以上の自己負担限度額(1ヶ月)
計算方法の考え方
月単位
対象期間は、1ヶ月間(同じ月の1日~末日)
長期入院などで月をまたいだ場合は、それぞれの月ごとに計算します。
例えば、4月20日に入院し5月20日に退院した場合は、4月と5月それぞれの月で限度額を計算を行います。
1回の入院単位ではなく、月単位での計算となります。
医療機関ごと
医療機関ごとに計算します。
同じ月にA病院とB病院にかかった場合は、A病院B病院それぞれで計算します。
保険薬局で支払う薬代は、処方した医療機関での医療費に含め計算することができます。
医科・歯科別
同じ医療機関でも医科と歯科は別々で計算します。
同じ月にA病院の内科と歯科にかかった場合は、内科歯科それぞれで計算します。
入院・外来(通院)別
同じ医療機関でも入院と外来(通院)は別々で計算します。
同じ月に入院と外来での受診がある場合は、入院外来それぞれで計算します。
利用できる人
公的医療保険の加入者(本人および被扶養者)で、自己負担限度額を超えた人。
対象となる医療費
公的医療保険保険が適用になる医療費
対象とならない医療費
公的医療保険の適用にならないもの
- 差額ベッド代(個室代)
- 食事代
- 日用品費等
- 先進医療の費用
- 正常分娩の出産費用
は対象となりません。
申請方法
70歳未満の方は、自分が加入している公的医療保険の保険者に申請を行います。
- 国民健康保険→市区町村役場
- 全国健康保険協会→協会の各都道府県支部
- 健康保険組合→各健康保険組合
払い戻しは約3ヶ月後
申請が認められれば、申請から約3ヶ月後に払い戻しが行われます。
70歳以上の方は、自動的に支払いが限度額までになります。
申請期限は2年
申請の期限は、診察を受けた月から2年間です。
忘れないうちに、なるべく早めの手続きをおこないましょう。